2025年10月8日水曜日

~ボルネオ探鳥記Day9&10~ 幻のオジロウチワキジ&ボルネオエボシコクジャクに会いに行く!

8月16日

今日は早朝2時にポーリン温泉を出発して、車で2時間半ほど走って、幻のオジロウチワキジが見られるハイドに向かいます。
そのため、少し仮眠をとったらすぐ出発でした!

今回はハイドのオーナーさんに送迎をお願いしたのですが、実は昨晩に約束の日付を間違えてポーリン温泉の宿に向かいに来てしまって、夜中に電話が鳴ったので何事かと思いました。
こんな間違いが起こらないよう事前に幾度もメッセージで注意喚起していた上に、夜中に叩き起こされたので、同行者曰くこの時の僕は珍しく少し怒っていたらしいです笑

そんなこんなで、無事に今日も向かいに来てもらって、ハイドへ向かったのです。

しっかし道が悪い&運転がひどくて、何度も何度もブレーキを踏むので、最近ほとんど酔わない僕もさすがに気分が悪くなってきて、「ちょっと車止めてくれるか?」とお願いして、一目散に車を飛び出して路肩でゲロゲロしましたw

出すものさえ出してしまえば気持ち良いもので、その後は元気でした。

そういえば、眠気覚ましに運転手が食べてたミント系のガムの臭いがきつくて、それも酔った原因かもしれません。


こうしてハイドに到着した我々は、淹れてもらったコーヒーを飲みながら日の出を待ちます。

オーナーが「昨日は珍しいクイナチメドリが来たよ」と言うので期待に胸が膨らみます。

日が昇ると同時に鳥たちが活動を始め、次々にハイドに鳥が現れました。


▲ハジロビタキ♂ /Rufous-chested Flycatcher 

ムギマキと似たカラーリングですが、目が大きくてクリクリで可愛い💕


▲ハジロビタキはペアでよく現れました♪


▲ボルネオシマヤイロチョウ♂ /Bornean Banded Pitta 固有種

いきなり大物キターーーーーー!!!
このハイドで見たかったターゲットのひとつがいきなり登場!


▲この個体は腹の青色がありませんが、個体差なのか年齢差なのか?


▲和名なし/ Bornean Black-capped Babbler 固有種

以前にSNSで見かけた、よちよちと歩くから「よちよチメドリ」という呼び名が気に入っています笑


▲ハイガシラアゴカンムリヒヨドリ /Yellow-bellied Bulbul

名前長すぎやしないですか?笑


▲ワキアカムジチメドリ /Temminck's Babbler


▲和名なし /Penan Bulbul 固有種

スプリットしたばっかりの新たな固有種です!


▲ダヤクヒメアオヒタキ♂ /Dayak Blue-flycatcher


▲ダヤクヒメアオヒタキ♀ /Dayak Blue-flycatcher


▲オレンジジツグミ /Orange-headed Thrush

これまた見たかったオレンジジツグミが登場!
ボルネオには貴重な固有亜種が生息しています!


▲フレンドリーでとても可愛らしい個体でした💕

遠くでクイナチメドリの鳴き声も聞こえていましたが、ハイドにやって来る気配はありませんでした。


▲アカガシラシャコ♀とヒナ /Crimson-headed Partridge 固有種

キナバルでも見たアカガシラシャコが子連れで登場!


▲アカガシラシャコ♂とヒナ /Crimson-headed Partridge 固有種

まさか子連れで出てくるとは思わなかったので、これは嬉しかったですね~!


刻一刻と時間が過ぎて、鳥が活発な朝の時間は終わり…目的のオジロウチワキジは一向に姿を現しません。
オジロウチワキジは固有種で、このハイドが出来るまでは現実的にほぼ観察することが不可能な幻の鳥でした。

そんな幻のオジロウチワキジはこのハイドには毎日来るはず…来るはずなんだけど!
出現を待つ我々の胸に、不安が立ち込めてきました…


▲ハッカンシキチョウ /White-crowned Shama 固有種


昼間はほぼほぼ鳥が居ないまま時間が過ぎ、再び鳥が活性化する夕方になりました。


▲ボルネオミヤマテッケイ /Red-breasted Partridge 固有種

これもターゲットのひとつ!
キナバルでは今回観察出来なかったので、こっちで無事に見れて良かった♪


▲カンムリシャコ♂ /Crested Partridge

とにかく見た目がイカつくて面白い鳥です笑
これもなかなか野外で見ることは難しい鳥なので、このハイドで見るべきターゲットのひとつです。


▲ぞろぞろと大集団で出てくるので思わず笑ってしまいますw


お迎えの運転手さんが来て、お願いして少し待ってもらったのですが、それでもオジロウチワキジが姿を現すことはありませんでした。

ほぼ毎日来るはずなのに…!!!
オーナーさんも悲しそうな顔で「昨日も一昨日も出てたのにね…」と。
でもこればっかりは仕方ない!鳥という自然を相手にする以上、絶対はないのです!

オーナーさんと記念写真を撮って、「またいつか必ずリベンジに戻ってきます!」と約束し、ハイドを後にしました。

ちなみに翌日に「今日は朝からオジロウチワキジ出てるよ~」と写真付きでメッセージを頂き、発狂しましたww


▲ボルネオヒヨドリ /Bornean Bulbul 固有種

ハイドを出たところで、同行者が見つけてくれた固有種のボルネオヒヨドリ。
今回はこの鳥を見る機会は多くないので、証拠写真だけでも撮れて良かった~。


いよいよ車に乗り込んで、次なる目的地へ向かいます!
途中で夕食を挟みながら4時間以上かけて移動しました。

ホテルに着いた頃にはもう夜10時を回っており、翌朝も早いためそそくさと就寝しました。


8月17日

さて、翌朝になりまして、本日のターゲットは幻のボルネオエボシコクジャク。
ボルネオエボシコクジャクは、野生で撮られた写真が長年存在せず、幻のこの鳥を探し続けたガイドたちの熱意によって、コロナ渦にハイドが作られ、我々がお目にかかる機会が出来た。

その頃はこの鳥を見るために、川を何本か渡って大変な道を何時間も歩いた先まで行かねばならなかったのが、この数年間で世界中から多くの人々がこの鳥を見るためにこの場所を訪れ、この鳥を見に来る人々のために建物が建てられ、道が整備され、この鳥を案内するための組織が出来たことで田舎の小さな小さな村に雇用が生まれ、今我々が簡単にアクセスできるようになった。

たった1羽の鳥、それを見るためにひとつの小さな村に世界中から人々がやって来て、村を救ってしまう。
そんな凄まじい影響力と珍しさ、そしてこの上ない美しさを持った鳥が幻のボルネオエボシコクジャクなのです。

こうして長い時を経て、我々もそんな鳥に惹かれてこんな小さな村までやって来てしまった訳です笑

早朝にホテルを出発した我々は、車で40分ほど走った先で、専用の4WDの車に乗り換え、未舗装のガッタガタの道を川を何本か越えながら進みました。
そこからは徒歩で、ひたすら熱帯雨林の中を30~40分ほど登って行きます。


▲案内人の後をひたすら追いますが、足が速すぎました笑


▲途中で竹で出来た橋を渡りましたが、ツルッツルでスリリングでした笑


ひたすら速足で登って行く中で「ジジジジジジジ」と突然鳴き声がしました。
もちろん日本で予習してきたのですぐに分かりました、「Crested Jay!」僕と案内人さんが同時に反応して慌ててカメラを出しました。


▲カンムリカケス /Crested Jay

暗い森の中でなんとか動く鳥影を見つけて必死にシャッターを切りました。
ずっと見てみたかったカンムリカケスのいきなりの登場に大興奮!

しかし!目的のボルネオエボシコクジャクのため先を急ぐので、証拠写真を撮ったらすぐに撤収。

やっとこさでハイドに到着し、その時を待ちます…そしてすぐにその時は訪れました!


▲ボルネオエボシコクジャク /Bornean Peacock-pheasant 固有種

森の奥からこの鳥が出て来たときは感動で心臓がバクバクでした!
この鳥こそ、ボルネオの幻の鳥にして、世界中の人々を魅了してきたボルネオエボシコクジャク!!!


▲その圧倒的な美しさに思わず息を飲みました。


▲お気に入りの止まり木で大きく口を開けて鳴いており、その声が鬱蒼とした森に響き渡ります。


▲今回はオスしか出てこなかったためディスプレイを見ることは叶いませんでしたが、こんなにも美しく貴重な鳥をこの目で見ることが出来ただけで十分でした♪

この鳥は過去にSNSで流れてきたのを見たことがあって、その時に「世界にはこんな鳥がいるんだ!世界は広いなぁ!」なんて目を輝かせたのをよく覚えています。
それをきっかけに海外の鳥にも興味を持ったと言っても過言ではありません。
こうして時を経て大学生になり、今自分の目でその鳥を見ているんだと思うと、何か胸に熱くなるものを感じました。


せっかくなので、このハイドで夕方まで1日過ごしてみると、他にもちょこちょこ鳥がやって来ました。


▲タンビムジチメドリ /Short-tailed Babbler


▲ボルネオカザリショウビン /Black-faced Kingfisher 固有種

ポーリン温泉で声しか聴けなかった本種、鳴き声が聞こえたので慌ててハイドの外に出ると、案内人さんが見つけて教えてくれました!
出来れば背中側をじっくり見たかったですが、まぁ見れただけヨシ!

にしても相変わらず現地の人の目は凄まじい…笑


▲和名なし/ Grey-cheeked Bulbul


▲シャーロットヒヨドリ /Charlotte's Bulbul

これもカンムリオリーブヒヨドリからスプリットした種類のようですね。


▲コクモカリドリ /Little Spiderhunter

ボルネオ固有種のムナフクモカリドリが居たので、写真を撮ろうと追いかけていたら、いつの間にかコクモカリドリに変わっていました笑


▲サビイロムジチメドリ /Ferruginous Babbler

地味な鳥ですが、意外とこの鉄さび色の野鳥は少ない気がする。


▲和名なし /Grey-hooded Babbler 固有種

鳴く時に青い模様が現れて可愛らしいチメドリです💕


▲ノドジロミツリンヒタキ /Grey-chested Jungle-flycatcher


▲ボルネオコシアカキジ /Bornean Crested Fireback 固有種

夕方に突然にハイドに現れたボルネオコシアカキジ!
残念ながらハイドの中心までは出て来てくれませんでしたが、通り過ぎる姿だけは観察することが出来ました!

ある程度待ってもボルネオコシアカキジが帰って来る気配がなかったので、夕方に下山を開始しました。


▲いや~本当になんにもない!こんな場所でボルネオエボシコクジャクを見つけたのはすごいなぁ。

こうして2日間に渡るハイド攻めは終了しました!
明日からはボルネオの凄腕ガイドさんと合流してキナバタンガン川を目指します!
次回はどんな出会いがあるでしょう。

最後まで見ていただきありがとうございました。

1 件のコメント:

  1. なんといっても今回は憧れのボルネオエボシコクジャクを見れた事
    本当に良かったね!
    文章にも熱がこもっていて私もなんか感動して
    泣きそうになりましたw
    小さい頃から鳥を追っかけてたあゆちんの姿も思い出されて。
    ボルネオエボシコクジャク圧巻の美しさですね!!
    アカガシラシャコ♂とヒナの写真もすごく好きです!

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~ボルネオ探鳥記Day9&10~ 幻のオジロウチワキジ&ボルネオエボシコクジャクに会いに行く!

8月16日 今日は早朝2時にポーリン温泉を出発して、車で2時間半ほど走って、幻のオジロウチワキジが見られるハイドに向かいます。 そのため、少し仮眠をとったらすぐ出発でした! 今回はハイドのオーナーさんに送迎をお願いしたのですが、実は昨晩に約束の日付を間違えてポーリン温泉の宿に向か...