2025年10月16日木曜日

~ボルネオ探鳥記 Day13~ 幻のオナガサイチョウに出会う!!!

8月20日

いよいよキナバタンガン川の最後の日になりました。
この日の朝のクルーズがオナガサイチョウを狙う最後のチャンスです。

なんとしてもオナガサイチョウを見るぞ!という気持ちで朝のクルーズがスタートしました。

しばらくして遠い森の中からついにオナガサイチョウの鳴き声が聞こえました!!!
しかし、そこは遮る木々が多かったため、奥の湖まで抜けてから捜索することに…湖でボートを停泊させて捜索するが、もう声は聞こえない…。


▲そんな中でコウモリダカの巣とその近くに佇むペアを観察することが出来ました!

しかしコウモリダカが止まっているのは遠くの木の上…これでは写真になりません。


再びオナガサイチョウを探していると1羽の鳥がこちらに向かって飛んできます!


▲コウモリダカ /Bat Hawk

なんと遠くに止まっていたコウモリダカが目の前に飛んで来ました!!!
以前からこの鳥を見たかった僕はテンション爆上がり!!!


コウモリに似せたとしか思えないような見た目で、実際にコウモリを狩って食べるというとても面白い生態をしています。
次はコウモリを狩るシーンも観察してみたいものです。


▲シロハラウミワシに攻撃を仕掛けるシーンも観察出来ました!


コウモリダカが観察出来てテンションが上がったものの、最大のターゲットであるオナガサイチョウは声すら聞こえなくなってしまいました。

近くにいる様子もないので諦めて別のポイントに移動することに。


▲ムラサキサギ幼鳥 /Purple Heron


しばらくボートで走って行くと、突然ボートが止まります。
「聞こえる…」船頭さんが耳に手を当てて言います。
最初は僕には全く聞こえませんでしたが、しばらくすると僕の耳でも微かにその鳴き声が聞こえました。

ついに鳴き声が聞こえた喜びと同時に、我々の心の中に浮かんだのは「こんなに遠くで鳴いてる…果たして見られるのだろうか…いや…」という不安でした。

緊迫した空気が流れる中、川の水の音とオナガサイチョウの鳴き声だけが響きます。

その時でした!!!対岸を明らかに異様なシルエットの鳥が飛んでいるのが見えました!!!
「!!!!!」全員が心の中で思ったはずです!


▲オナガサイチョウ♂ /Helmeted Hornbill

この姿が目に入った時の全身の筋肉が強張る感じ、ゾクッとしたあの電撃が走るような感覚が忘れられないです!
幻のオナガサイチョウ…今この目で見てしまった!


▲♂に続いて♀も飛んで行きます!


▲そしてなんと対岸の木に止まりました!!!

木に止まったオナガサイチョウ♂はどんどんと木のてっぺんへと登って行きます。
「これは飛ぶぞ!」ガイドが言いました。
しばらくして♂が飛び出して、その後を追うように♀も飛び出しました。

飛び出した2羽のオナガサイチョウは信じられないことに、我々に向かって真っすぐに飛んで来ます!!!

「来る!こっちに来る!」
どんどんとハッキリと鮮明に肉眼でも見えるようになる大きな影…対岸からゆっくりゆっくりとこちらに迫ってきます。

「真上の雲の切れ間、あの少しの青空を通る最高の瞬間、その瞬間にシャッターを切れなかったら一生後悔する」
この瞬間を逃すことは絶対に出来ない!という強いプレッシャーでカメラを持つ腕に力が入ります。

「この鳥があそこに来た瞬間にシャッターを押す」
イメージトレーニングも完璧…こっちは準備万端だ…さぁ来い!


▲イメトレ通り、最高の瞬間を切り取ることが出来ました!!!

密猟の影響で急激に数を減らしており、ボルネオのシンボル的存在にもなっているこの幻のオナガサイチョウ…まさに夢のような瞬間でした。


▲互いに鳴き交わしながら我々の頭上を通り過ぎて行く2羽の姿は、脳裏に強烈に焼き付いて離れることはありません!

2羽が頭上を通り過ぎた直後、思わずガイドとハイタッチ!
こんな素敵な体験をさせてくれたガイドに改めて「ありがとう!最高の気分だ!」と伝えたのでした。


オナガサイチョウの余韻が大きすぎて、ニヤついた顔のまま放心状態の我々を乗せて、ボートはホテルに戻ってきました。
荷物をまとめて、昼食を食べたら、次なる目的地セピロックへ向かいます!

もう悔いも何もない清々しい気持ちでキナバタンガン川を後にして、2時間半ほどかけてセピロックのホテルに到着しました。

チェックインを済ませたら、ガイドさんと一緒にセピロックRDCに行くことに。


▲コゲチャキンパラ /Dusky Munia 固有種

ホテルの庭にいました!
コタキナバルでキレイに撮れていなかったので、ここでリベンジ成功!


▲ノドアカタイヨウチョウ♂ /Copper-throated Sunbird

コゲチャキンパラと同じ木に美しいタイヨウチョウの姿も!
見る角度によって色が変わる構造色がとても美しいタイヨウチョウでした!


夕方になったので、ガイドさんと一緒にセピロックRDCへ。


▲ハシブトクモカリドリ /Thick-billed Spiderhunter

木の洞に溜まった雨水で水浴びをしている様子でした。


入園して間もなく、雨が降り始めてしまい、雨宿りを余儀なくされました💦
雨宿りをしていると、久々に日本人の方に声を掛けられ、どうもリスの研究でボルネオに来ている大学院生の方とのことで、我々が見た鳥のことや研究のことなど色々とお話しました。

雨が上がった頃にはもう日暮れの時間。
最後にホテルのフロントで3日間お世話になったガイドさんと記念写真を撮ってお別れしました!


明日からはボルネオで最後の探鳥地となるセピロックRDCでの探鳥です!
4日間でどれだけのターゲットと出会えるのか?次回に続く…

最後まで見ていただきありがとうございました。

2025年10月13日月曜日

~ボルネオ探鳥記 Day12~ キナバタンガン川でクルーズを満喫!!!

8月19日

この日は朝と夕方のクルーズと夜探をして丸一日キナバタンガン川を満喫します!

早速朝のクルーズへ出発~!


▲朝の風が心地良い~♪


▲シロハラウミワシ /White-bellied Sea-eagle

最初に飛んで来たのはシロハラウミワシ!
大きくて迫力があります!


▲ミカドバト /Green Imperial-pigeon

背中が緑色で美しいハトですが、飛んでいるのでお腹しか見えませんね笑


▲クロサイチョウ♀ /Black Hornbill

顔に赤い模様が入っていてカッコ良い!


▲クロサイチョウ♂ /Black Hornbill

♀を追いかけて♂も飛んで来た~!!!
小型のサイチョウですが、それでも近くを飛ぶと迫力があります!


船で走行中に横切った小鳥に双眼鏡を向けると、黄色い模様が見えて…キュウカンチョウ!


▲キュウカンチョウ /Common Hill Myna

東南アジアに来ると時々見かけますが、正真正銘の野生のキュウカンチョウです!


▲サイチョウ♂ /Rhinoceros Hornbill

目の前にサイチョウが飛んでキターーーーー!!!
これはテンション上がりました!!!


▲キタカササギサイチョウ /Oriental Pied Hornbill

この子たちは居すぎてこんな写真しか撮ってなかった笑、ごめんね笑


ここからは、オナガサイチョウ捜索は一旦止めて、森のそばをボートで走って小鳥やハシリカッコウを狙います!


▲マレーシアヒメアオヒタキ♀ /Malay Blue-flycatcher


▲マレーシアヒメアオヒタキ♂ /Malay Blue-flycatcher

とっても美しいヒタキがペアで観察出来ました!


▲コハゲコウ /Lesser Adjustant


▲ズグロヤイロチョウ /Western Hooded Pitta

ターゲットのズグロヤイロチョウ!!!
一瞬すぎて証拠写真しか撮れなかった~泣💦


▲カレハゲラ♂ /Buff-necked Woodpecker

ず~っとこの場所をコンコンコンコンしていました!


▲キガシラヒヨドリ /Straw-headed Bulbul

いきなりターゲットの大物登場!

キガシラヒヨドリは美しい鳴き声のために罠猟で乱獲され、タイ、ミャンマー、インドネシアなど多くの国でほぼ絶滅状態にある希少な種です。
今回はとても幸運なことに、この地域に残る最後の1ペアを観察する機会に恵まれました!
個体数が増加しつつあるシンガポールが最後の砦となることを祈ります。



▲ルリカワセミ /Blue-eared Kingfisher


▲日本のカワセミよりも濃く深い青色が美しい!


▲スンダエンビコウ /Storm's Stork

絶滅の危機にある種で、キナバタンガン川で見ておくべきターゲットのひとつ!
今回は運良く近くの木に止まっていた個体を観察することが出来ました!


▲ミナミカンムリワシ /Crested Serpent-eagle


これにて午前中のクルーズは終了!
昼食を食べて少し休憩してから、再び夕方のクルーズへ!

夕方はサイチョウが活発に動くため、オナガサイチョウ捜索に時間を割きます。


▲クロサイチョウ♂ /Black Hornbill

顔に白い模様のあるタイプの♂はカッコ良くて大好きです!


▲テングザル /Long-nosed monkey 


▲クロアカヒロハシ /Black-and-red Broadbill

朝は声しか聴けなかった本種も無事に見ることが出来ました!


▲ウォーレスクマタカ /Wallace's Hawk-eagle

インドクマタカの暗色型も居たのですが撮り逃しました💦


▲スンダエンビコウ /Storm's Stork

ここでターゲットのコウモリダカが現れましたが、遠くてロクな写真にならなかったので今日は割愛。

他には、ボルネオでは2度目の記録だというアオショウビンが鳴いていましたが、半島の普通種なので今回は捜索せずにスルーしました。

この後の時間は、オナガサイチョウの捜索にすべての時間を費やしたため他の鳥は見ていません。
しかし、それでも声を聞くことすら叶いませんでした…さすが手強い。


宿に戻って夕食を食べたら、今度は夜探に出発です!
オオガマグチヨタカという珍しい鳥を今回はどうしても見たかったので、ガイドさんにリクエストして、ボートで別のリゾートに向かい、暗い森の中へ入って行きます。


▲ただただ真っ暗な闇の中をライト頼りに進んで行きます。


遠くからオオガマグチヨタカの特徴的な鳴き声が聞こえます。
心臓の鼓動が高鳴るのを感じながら、声の方へと進んで行きます!


▲オオガマグチヨタカ /Large Frogmouth

うぉおおおおおお!
今回どうしても見たかったオオガマグチヨタカ!
まるで枯葉のような大きな影がライトの先に浮かび上がった時は全身が震えました!


オオガマグチヨタカが無事に見れたので、来た道を戻っていくとアカチャコノハズクの声がしましたが、逃げられてしまって断念。

今度はニセメンフクロウの声が聞こえてきました。
声を頼りに道を外れて草木をかき分けながら森の中へと入って行きます!


▲ニセメンフクロウ /Oriental Bay-owl

なんと幸運なことに、目線の枝でじ~っと止まっている姿を観察することが出来ました!
同行者が世界で一番見たい鳥だったらしく、感激している様子でした。


▲マレーウオミミズク /Buffy Fish-owl

最後に船着き場でマレーウオミミズクをゲット!

これを撮ろうと地面にしゃがみ込んだ同行者が「痛い痛い!」と言うので、慌てて足元を見るとそこには無数のアリ!
どうも巣の真上に立ってしまったようで、怒ったアリたちが群がって来ていました。

僕も過去に半島マレーシアで噛まれたことがありましたが、東南アジアのアリはバカデカくて噛まれるとめちゃくちゃ痛いので怖いです💦

こうして夜探は大成功に終わり、興奮冷めやまぬ夜となりました。


さて、明日はいよいよキナバタンガン川の最終日です。
幻のオナガサイチョウに挑戦できるチャンスは、泣いても笑っても朝の最後のクルーズだけ!
果たしてオナガサイチョウに出会うことは出来るのか…次回に続く。

最後まで見ていただきありがとうございました。

2025年10月10日金曜日

~ボルネオ探鳥記 Day11~ 次なる目的地キナバタンガン川へ!

8月18日

この日は朝にガイドとホテルで待ち合わせです。
今回の旅ではキナバタンガン川でのクルーズのために3日間だけガイドを雇いました。

ガイドが来る前に、朝ごはんを食べに近くのレストランに行ったのですが、日本人なんて滅多に訪れない小さな町なので、バイト?の女の子たちがキャッキャしながら「さよなら~ありがと~笑笑(キャー日本語喋っちゃったー!)」みたいな雰囲気でした笑


9時にガイドさんと合流して車で3時間かけてキナバタンガン川を目指します。
日本語が堪能なガイドだと聞いていましたが、想像以上に日本語ペラペラでビックリでした!

昼頃にキナバタンガン川のホテルに到着し、昼食を食べて夕方のクルーズに備えます。

キナバタンガン川はサイチョウやボルネオゾウ、テングザルなどが見られる観光クルーズが有名なスポットで、多くの観光客が訪れています。
より鳥にフォーカスして探索するために、今回は贅沢にボートをチャーターして、3日間で4回のクルーズを行います!

一番のターゲットに幻のオナガサイチョウを設定しつつ、ハシリカッコウ、ズグロサイチョウ、ズグロヤイロチョウ、キガシラヒヨドリ、コウモリダカなどを狙います!
また、ワニやボルネオゾウ、テングザルなどもぜひ見れたら良いなと期待です!


▲チャーターボートに乗り込む我々とガイドのAndrew氏。


▲心地よい風を受けながらキナバタンガン川のクルーズがスタート!


▲イリエワニの赤ちゃん /Saltwater Crocodile

早速現れたのはワニ?!
大人になったら人も襲うことが出来るそうです💦


▲チャイロカッコウハヤブサ /Jerdon's Baza

上空を舞ったのは割と珍しいチャイロカッコウハヤブサでした!
一昨年にタイで渡って行く姿を観察しましたね~


川を進んでいくと、川沿いに大きな動物が見え、その周りを多くの観光クルーズ船が囲んでいます。


▲なんと野生のボルネオゾウ!!!

世界最小のゾウで、十数個体の群れが川沿いで採餌中でした!
これだけバッチリ観察できるのはラッキーだそうで、幸先の良いスタートです!


▲絡み合う2頭のボルネオゾウ。


▲コウハシショウビン /Stork-billed Kingfisher

大きくて迫力があるカワセミの仲間です!


▲ルリノドハチクイ /Blue-throated Bee-eater

夕方は彼らの水浴びの時間なので、多くの個体が水浴びをするために飛び回っていました。


▲ウオクイワシ /Grey-headed Fish-eagle

大型でカッコ良いウオクイワシが飛んできました!


▲ミズオオトカゲ /Water Monitor

東南アジアに来るとよく見かける生き物ですが、何度見てもデカい!


日が落ち始める時間になると、サイチョウの仲間が塒入り前に活発に動き出します。
このタイミングを狙ってサイチョウを探します。

シロクロサイチョウがよく現れるというポイントにボートを停泊させて、しばらく耳を澄ませていると…鳴き声が聞こえてきます!
森の中をよ~くよ~く探して……見つけた!!!


▲シロクロサイチョウ♂ /White-crowned Hornbill

キナバタンガン川で最初に見られたサイチョウは、なんと難易度の高いシロクロサイチョウ!
圧倒的な存在感と恐竜のような見た目が超カッコ良いサイチョウです!


シロクロサイチョウとの出会いに歓喜したのも束の間、次から次にサイチョウが姿を現します!


▲ムジサイチョウ /Bushy-crested Hornbill

飛び出してきたのはムジサイチョウ!
一昨年にタイで見て以来の出会いでした!


▲サイチョウ /Rhinoceros Hornbill

今度は後ろの木から2羽で顔を出したマレーシアの国鳥サイチョウ!
去年に半島マレーシアで外してから、ようやくリベンジが出来ました!


▲クロサイチョウ /Black Hornbill

小型のサイチョウですが、真っ黒の体色と白い嘴の対比が美しい。


▲川沿いの木から辺りを見下ろすウオクイワシ。


▲テングザル /Long-nosed monkey

有名なテングザル!!!
ボルネオの固有種で、面白い鼻の形をしているため見ておきたかった種です!
キナバタンガン川の流域には思ったより個体数が多くて、あちこちで見られました。


▲ズグロサイチョウ♂ /Wrinkled Hornbill

これまた見ておきたかったズグロサイチョウ!!!
ピエロのような強烈なインパクトのある見た目が面白いです。
もっとこの鳥を観察したかったのですが、この一瞬が最初で最後のチャンスでした。


▲サイチョウ /Rhinoceros Hornbill

また別の木で止まっていたサイチョウをじっくり観察出来ました♪


▲ムジサイチョウ /Bushy-crested Hornbill

サイチョウの仲間では珍しく、ムジサイチョウは塒入り前に多くの個体が身を寄せ合って群れを作ります。
なんだか可愛らしい光景ですね💕


▲日が落ち心地よい風が吹き始め、幻想的な雰囲気のキナバタンガン川。


▲コハゲコウ /Lesser Adjustant

日の入り間近のキナバタンガン川をゆったりと飛んで行きます。


▲浮かび上がるコハゲコウのシルエット。

コハゲコウやスンダエンビコウはこうして木のてっぺんで休憩していることが多かったです。


こうして無事にこの日のクルーズは終了!

初日からシロクロサイチョウやボルネオゾウ、テングザルなどターゲットの生き物に次々と出会えて大満足のクルーズでした!

しかしまだまだターゲットは残っています!
明日のクルーズで出会うことは出来るのか?!お楽しみに♪

最後まで見ていただきありがとうございました。

~ボルネオ探鳥記 Day13~ 幻のオナガサイチョウに出会う!!!

8月20日 いよいよキナバタンガン川の最後の日になりました。 この日の朝のクルーズがオナガサイチョウを狙う最後のチャンスです。 なんとしてもオナガサイチョウを見るぞ!という気持ちで朝のクルーズがスタートしました。 しばらくして遠い森の中からついにオナガサイチョウの鳴き声が聞こえま...